
■ 国税庁が発表した最新動向
令和7年度、国税庁 から公表された各種統計・税務調査結果・制度運用状況を踏まえ、
個人事業主・フリーランスに直結する重要ポイントをまとめました。
■ 1. 所得税の「無申告」監視が強化
令和6年度の無申告関連の追徴税額は過去最高に
国税庁が公表した令和6年度の所得税に関する調査では、
追徴税額:1,431億円(過去最高)
と発表されました。
無申告者に対する管理強化は年々強まっており、
- マイナンバー連携
- 事業者間取引の電子化(インボイス)
- 銀行・決済データの自動照合
- SNS・フリマ・プラットフォーム売上の把握
など、「収入が捕捉されやすい環境」が急激に整備されています。
● 特に注意が必要な業種
- フリーランス(IT、デザイン、動画編集)
- 美容・サロンなど現金売上を含む個人事業
- 講師・セミナー収入
- SNSインフルエンサー収入
- 業務委託モデルで活動している個人
● ポイント
売上が銀行・プラットフォーム経由で見える化 → 無申告はすぐ発覚する時代に。
■ 2. 経費の過大計上に対する指摘も増加
国税庁は令和6年度の調査結果で、
- 「家事按分の割合が不適切」
- 「そもそも事業関連性が低い支出の経費計上」
- 「レシート・領収書の紛失」
など、経費関連の誤りが大幅に増加 したと発表しています。
● 個人事業主が特に注意すべきもの
- 家賃、光熱費、通信費の按分
- 車両費(特にガソリン代)
- 接待交際費
- 飲食費
- サブスク系サービスの私用部分
● 国税庁は以下のポイントを重視
- 事業関連性の説明ができるか?
- 按分の根拠が論理的に示せるか?
- 証拠書類(レシート等)が揃っているか?
■ 3. インボイス制度の「控除漏れ」指摘が急増
令和5年10月に始まったインボイス制度ですが、
令和6年度時点で国税庁が指摘した主な誤りが次の通りです。
● よくある誤り
- 相手が「適格請求書発行事業者」か確認せず経費計上
- 適格番号の記載漏れ
- 自分が免税事業者のまま請求を行っていた
- 経費の仕訳時に「税区分」を誤って登録
これは フリーランスでトラブルが非常に多い領域 です。
✔ 解決策
クラウド会計ソフト(マネフォ / freee)を使い、
「適格請求書発行事業者検索API」 と自動連携させるのが最も安全です。
■ 4. 電子帳簿保存法(電帳法)への対応が実質必須へ
2024年1月から電子取引データの電子保存が義務化され、
国税庁は 完全電子保存を前提とした運用 に移っています。
● 対応すべきもの
- Amazon請求書
- サブスクのメール請求
- 銀行のPDF明細
- クレカの明細
- Uber/出前館/交通系アプリなどの領収書
● 無視するとどうなる?
紙で保存しても「保存義務違反」扱い になり、
税務調査で否認されるリスクが高まります。
✔ 実務的な解決策
- 会計ソフトへメール転送
- Googleドライブに月ごと保存
- LINEで届く領収書 → PDF化して保存
- スマホでスクショ → 日付つきで保存
■ 5. 副業(業務委託)収入の「把握強化」
国税庁は近年、副業(業務委託)収入の把握に注力しており、
企業から提出される
「報酬支払調書」
のデータを自動解析して、
個人の申告内容とマッチングしています。
● 特に注意すべきケース
- 元会社の副業で収入がある
- 2〜3社から業務委託費を受け取っている
- SNS売上 + 広告収入 + 事業収入を併用している
✔ アドバイス
複数の収入源を持つ方は、
帳簿を1本化し、収入をまとめて管理する のが安全です。
■ 6. 現金商売の「入出金の不一致」チェック強化
国税庁は現在、
“現金売上 × 現金仕入” 業種に対して重点調査を行っています。
例:
- サロン
- 整体
- 飲食の個人店
- ネイル
- サービス業(現金併用)
● 見られるポイント
- 現金売上と銀行入金のズレ
- 現金出金の記録不備
- レシートの未保存
- 仕入金額と売上の関係
■ 7. まとめ:個人事業主・フリーランスが“今すぐ”やるべき3つ
① とにかく「売上・経費の証拠」を残す
スクショ・PDF・領収書など“証跡の保存”が最重要。
② 按分は「根拠」を書いて残す
家賃なら「使用面積比」など説明可能な根拠を。
③ インボイス・電帳法の設定を整える
会計ソフトに任せてしまうのが現実的。
※国税庁(公式)
令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況