2025年度遺族年金制度改正のポイントと最新情報!
・遺族年金制度改正の背景と目的
これまでの遺族年金制度は、もともと男性が大黒柱として働き、女性が家庭を守るという伝統的な家族モデルを前提に設計されていました。しかし、現代日本では共働き世帯が増加し、厚生労働省は2040年までに男女の就業率が同等になると予測しています。このような社会変化に対応するため、男女間で大きく異なる現行の遺族年金制度を見直す必要性が生じています。
現行制度では、配偶者を亡くした女性は30歳以上であれば無期限で遺族年金を受給できますが、男性は55歳以上かつ年収850万円未満でなければ受給資格がありません(受給開始は60歳以降)。今回の改正は、こうした性別による不公平を解消することが主な目的の1つです。
・2025年度遺族厚生年金の主な改正点

出所:遺族厚生年金の見直しについて(厚生労働省HP)
①5年間の有期給付への変更
現在、子のいない30歳以上の女性は無期限で遺族厚生年金を受給できますが、改正後は男女ともに原則5年間の有期給付となります。
ただし、5年後も十分な生活再建ができない場合には、所得や障害の状況に応じて継続給付が検討されます。
なお、子どものいる家庭では、従前通り、遺族基礎年金・遺族厚生年金ともに受給できます。
② 有期給付加算の創設(年金額の増額)
新たに「有期給付加算」が設けられ、有期給付期間中の年金額が増額される予定です。これは、配偶者の死別による経済的な影響を軽減するための措置と考えられます。
③ 「死亡時分割」の導入
配偶者が死亡した場合に年金記録を分割する制度(死亡時分割)が新たに創設されます。これにより、65歳到達時に年金額が増える可能性があります。
④ 年収850万円の収入要件の撤廃
現行制度では、遺族厚生年金を受給するためには、年収850万円未満であることが条件でしたが、この要件は撤廃される予定です。収入の多寡に関係なく、死別による影響を考慮する形に変更されます。
⑤ 中高齢寡婦加算の廃止
現行の「中高齢寡婦加算」が廃止されます。この加算は主に女性を対象としていましたが、男女平等の観点から見直されることになりました。
◎段階的な実施スケジュール
この改正は、一度にすべて適用されるのではなく、段階的に実施される予定です。
- 女性の有期給付の対象年齢は、まず30歳から40歳に引き上げられ、その後約20年かけて60歳まで引き上げる計画です。
- 男性については、施行日から年齢要件が撤廃され、60歳未満でも受給可能になります。
